マニアが描く闘い、
そして交錯する人間模様。
ドキドキ感とヒヤヒヤ感が味わえる
ファイティング・ミステリー!
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ついに世界タイトルへの挑戦が決まった、プロボクサー笹賢司。
笹と親交のあるライター西条竜夫は、スポーツ専門誌で笹のルポを連載することになった。笹はKO勝利で世界タイトルを獲得。皆、喜びに浸った。しかし、笹に負けた前チャンピオン・セーンが、自国タイに帰って急死したという訃報が入った。死因は脳挫傷。笹との試合が原因である。
ある日、笹とセーンのタイトルマッチが“八百長”であったと読める新聞記事を西条が偶然目にしたことから、話は意外な方向へと展開していく………。
格闘技全般が好きで、特にボクシングをこよなく愛し、マニアを自負する著者。自らジムに通っていた体験などを通じてリアルに表現しているところはさすが。特にファイティングシーンは、ファンでも気付かない角度から闘いの行方を描写し、「なるほど!」と感心させられる。
“八百長”疑惑に遭遇してからの西条は、損得を抜きにして「真実を知りたい」という好奇心と、「笹を救いたい」という人情に動かされ、「押してはいけないボタン」を次々と押して行く。読者としては本当にヒヤヒヤさせられ、「で、どうなるの?」と先を急かしてしまう。
西条を始めとする登場人物の人間味と、ドキドキ感溢れるストーリーがストレートに展開され、ボクシング好きもそうでない人も、興奮する一冊に仕上がっている。読者からの反応が非常に気になる作品だ。
この作品は「第29回 横溝正史ミステリ大賞」応募作品
「リングと鏡とゴシップ新聞」に、加筆・訂正したものです。
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