インディーズ文庫の代表 しのぶ の怖かったよ体験談

chime_calendar/2012-11-13


第4話 毎日消えちゃう人 その3

またその翌日のこと
会社から打ち合わせに出向く用事ができて駅へと向かった。

珍しいことに、またもや大通りの信号は青だった。

通りを渡り、蒲焼きの匂いをかぎながら鰻屋さんの前を通って・・・。

あれ、また昨日の男が、暖簾をくぐって洋食屋さんから出てきた。毎日、同じような時間にやってくるのだな〜。

私は、またこの男を目で追って、後から着いていく形になった。

路地に来ると、男は曲がらなかった・・・、筈だ。
ただ、すっと消えてしまったように思えたのだ。

おかしいな〜。と思って見回しても男の姿は見つけられなかった。
それから数日にわたって、同じことが繰り返された。

さすがにおかしいと気がついた。なぜ、あの信号が青なのかを考えても不思議なのだ。

数日後の日曜日、おかしなことがあるものだと気にしつつ、同じような時間に今度は犬の散歩で、またこの道を行ってみた。

その日は、鰻屋さんも、洋食屋さんも、お休みだ。

しかし、その男は、休みの筈の洋食屋さんから出てきて、路地の角で煙のように薄くなって、すーっと消えていった。

その路地の角に立つと、誰が備えたのか、あれはユリだったかな。
きれいな花束が手向けられていた。



きょうは、ここまで、次回につづく!
皆さまにきちんと伝わるのか・・・、不安を抱えておりますので、どうぞコメントやFBへの書き込みなど、お待ちしております。

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