chime_calendar/2012-09-13
前回までのお話しは下記から。
- 第1話 犬の散歩に、ご用心
- 第2話 1枚の写真
- 第3話 モデル撮影の現場
- 第4話 毎日消えちゃう人
第2話 1枚の写真 その1
あ、見えた。また見えた!
私には、ある女性の背後に、いっつも同じ写真が張り付いたように見えていた。
それが見えはじめたのはいつからだろうか。少し前からチラチラ見えるようになり、かれこれ、もう3ヶ月も経とうかと言う感じかな。
そもそもわたしは、人の背後に別の人を見てしまう、ということはしょっちゅうあるので、その事じたいは気にもならないのだが、問題は、その画像に映し出されたビジュアルだ。
明治から昭和初期のもんぺ姿の中年の夫人がふたり。木造の木戸の前に立って何かを話しているようだ。そしてその二人の背後にある風景が、私には理解しがたい。
何か長い棒のようなものを振り上げている男達がたくさんいる。いや女もいる。
いずれもこの二人と同じような年格好の人達だ。中には、大けがをしているのか、疲れて休んでいるのか、どうも血を流しているようにも見える人がいる。
これは大げんかの様子なのだろうか?
よくわからない理由のひとつに、この見えている画像がモノクロームのぼんやりした物だと言うのがある。
この写真を背負っている女性は私にとって非常に側近の方なので、私は思いきって、話してみることにした。
きょうは、ここまで、次回につづく!
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